討論主題と依頼講演
1.食品分析法の社会への展開
オーガナイザ:安井明美(農研機構食品総合研究所)
【趣旨】
表示偽装、食材偽装等が社会問題化する中で、栄養成分表示の義務化、表示の信憑性確認等、食品分析における分析値の信頼性が益々重要になってきている。
本主題では、地域の特産品であるワイン・ぶどうの特性・品質の測定・評価法、産地判別法・品種識別法の開発・確立、共同試験による妥当性確認、分析値の信頼性確保等をキーワードに、食品分析(法)が社会へ展開・貢献するための技術に関して発表討論する。
【依頼講演】
- ワインポリフェノールの抽出と熟成における分析化学
(山梨大院・ワイン科学研究セ)奥田 徹
- 軽元素安定同位体比を用いた食品の原料・原産地判別の可能性と留意点
(農研機構食総研)鈴木彌生子
- 食用植物油脂の日本農林規格におけるけん化価の共同試験について
(農林水産消費安全技術セ)◯稗島祐介・児玉貴志
- 分析の信頼性をどう確保するか―食品中元素分析を例に―
(産総研)宮下振一
2.材料開発を支える分析化学
オーガナイザ:櫻井健次(筑波大院)、林 俊一(新日鐵住金)
【趣旨】
優れた機能を持つマテリアルを作り出す知識と技術を高めることは、わが国と世界の将来にとってこれまでになく重要になってきている。豊かで安全な社会が新しいマテリアルによって築かれる時代にあって、計測・分析技術ヘの期待は大きい。マテリアルリサーチを先導しようとする計測・分析の大方向を模索するため、新エネルギー材料や先端的な無機・有機材料の開発の第一線で活躍する専門家を交え、個別のマテリアルにおける研究の現状と将来課題を発表討論する。
【依頼講演】
- 二次元ナノ材料の開発と分析
(京大産官学連携)福田勝利
- 超伝導材料開発における分析評価技術
(NIMS)高野義彦
- X線分析とエネルギー・マテリアルのリサイクル
(東京都市大)江場宏美
- 鉄鋼分析技術および材料評価技術の現状と課題
(新日鐵住金)林 俊一
3.環境計測技術の新展開
オーガナイザ:角田欣一(群馬大理工学研究院)、吉永 淳(東大院新領域創成)
【趣旨】
人類が直面する様々な環境問題の解決のためには、環境計測技術の発展が不可欠であることは論を待たない。新たな問題に対応する計測技術が常に求められる一方、計測技術の発展により初めて明らかになった環境の描像が、環境研究の基礎となっていることも忘れてはならない。
本主題では、環境計測技術に関する基礎から応用までに関して発表討論する。
【依頼講演】
- 国際GEOTRACES計画による全海洋の微量元素分布の解明
(東大大気海洋研)蒲生俊敬
- 偏光を利用した大気中微粒子測定器の開発
(山梨大生命環境)小林 拓
- 水銀同位体に認められる質量非依存性分別MIFと環境動態研究への応用
(国立環境研)柴田康行
- 微小粒子状物質(PM2.5)汚染の現状と組成
(埼玉県環境科学国際セ)坂本和彦