第69回分析化学討論会について

実行委員長 (名古屋大学大学院工学研究科) 平出 正孝

本会では、年に2回、春に討論会、秋に年会を開催し、研究成果の発表を遠して会員相互の情報交換を行い、分析化学の発展と普及に努めています。第69回分析化学討論会は、名古屋市の名古屋国際会議場において、5月15日(水)と16日(金)の両日開催され、次の3つの主題討論が企画されています。

  1. 高度分離へのたゆまぬ挑戦
    新たな分離媒体の開発や分離プロセスのミクロ化・集積化・多機能化によってかつてない高効率・高機能性分離法が実現し、このことが医療分析・材料分析・環境分析をはじめとする多くの分野にブレークスルーをもたらしました。ここでは、高度分離・高度精製へのたゆまぬ挑戦とその成果について討論します。
  2. 環境評価技術の新展開
    地球規模の環境汚染が懸念されるなか、大気・水・土壌・環境生物など各種資料の分析の重要性がますます増加しています。分析値はしばしば政策や国際社会の方針の拠り所となりうるため、精確で信頼のおける定量値を提供することが分析者の責務です。環境を評価するための新原理や新技術とともに、評価技術によって明らかにされた新たな環境の姿を討論します。
  3. 産業をささえる分析化学
    世界をリードする我が国の産業分野において、品質向上・高品質の維持とともに、安全性・適応性の確保に様々な分析法が活躍しています。ここでは、産業の現場で創案された分析の新手法、将来の産業創出のための分析法の開発などについて討論します。

このほか論文賞受賞講演、一般講演 (口頭とポスター)、若手ポスター講演、企業によるテクノレビュー講演 (口頭とポスター) など総計568件が予定されています。

この冊子は、本討論会で発表される口頭発表とポスター発表の中から、社会的に関心が高いと思われるものを分野別に選び、分かりやすく解説したものです。さらに詳しくお知りになりたい方のために、講演番号と発表者の連絡先を記載してあります。この冊子を通して本会の活躍の一端をご理解いただき、本会にご協力・ご支援を賜れば幸いです。
総講演数 568件。
内訳:分析化学論文賞受賞講演 1件、主題講演 28件、一般講演 375件 (口頭 241、ポスター 134)、若手ポスター講演 130件、テクノレビュー講演 25件 (口頭 13、ポスター 12)、依頼講演 9件。