第66回分析化学討論会について
第66回分析化学討論会実行委員長(北海道大学大学院水産科学研究院)
板橋 豊
 日本分析化学会は、分析化学の進歩発展を図り、それを通じて科学・技術・文化の進展と人類の福祉に寄与することを目的として1952年に設立された学術団体です。現在9,000名程度の会員を擁し、分析化学関連では世界最大規模の学会です。本会会員は、理学、工学、薬学、医学、歯学、農学などの分野で分析化学に関わる産官学の研究者や技術者、分析化学の教育や分析機器の普及に携わる人たち、分析化学に興味をもつ学生などさまざまな分野に及んでいます。本会では、機関誌「ぶんせき」と論文誌「分析化学」、「Analytical Sciences」を毎月定期的に刊行して分析化学に関する最新の情報と先端の研究を国の内外に発信している他、毎年春と秋に分析化学討論会と分析化学会年会をそれぞれ開催し、研究成果の発表を通して情報を交換し、会員相互の親睦を深めながら分析化学の発展と普及に努めています。また、9月には日本分析機器工業会の分析展に合わせて東京コンファレンスを開催し、学会の啓蒙活動を行っています。
 第66回分析化学討論会は、日本分析化学会北海道支部の担当により、北見工業大学において5月14日(土)と15 日(日)の両日開催されます。科学技術の進歩発展と地球の未来にとって分析化学の果たす役割には大きなものがあります。本討論会を通じてその一端に触れていただきたく、以下の2つの討論主題によるシンポジウムを企画いたしました。


1.環境保全と修復のための分析技術
   環境の保全と修復は、地球に牛きる人間に課せられた重要な課題です。環境の保全、
  汚染された環境の浄化、廃棄物処理、資源の再利用等における分析化学の役割について
  討論します。

2.流れを利用する新しい分析技術
   「流れ」と分析化学には古くて新しい関わりがあります。近年、医療やバイオ、環境
   の分野への応用が期待されている微小な装置を用いた化学分析システムなど、「流
   れ」に関わる新しい分析技術について討論します。

 この他、一般講演(口頭発表とポスター発表)など総計480件の研究発表が予定されております。この中には、分析機器メーカーなどによる新製品・新技術を紹介するテクノレビューも関連する一般講演の中で行われます。
 この冊子は、本討論会で発表される講演の中から、特に社会的に関心が高いと思われるものを選んで分かりやすく解説したものです。日本分析化学会の活動の一端をご理解いただければ幸いです。