日本の最先端分析化学研究が集まる第56年会−四国で初開催

第56年会実行委員長 本 仲 純 子
                     (徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部)

 日本分析化学会は、1952年に設立された学術団体であり、分析化学関連では約8000名の会員数を有する世界最大の学会であります。また、分析化学を共通の基盤として、理・工・農・医・歯・薬学などの広範囲にまたがる分野の会員が、活発に活動している点は、他学会に見られない大きな特色であります。日本分析化学会は次のような事業によって、日本および国際社会に広く貢献しております。

1)  春の討論会、秋の年会による最新の研究成果の公表

2)  機関誌「ぶんせき」、邦文誌「分析化学」、国際誌「Analytical Sciences」による情報

   と研究成果の発信

3)  講演会、講習会等による分析化学の普及・啓発活動

4)  書籍、標準物質等による化学分析支援事業

 これらの活動のうち、日本の最先端分析化学研究が発表される秋の年会は、最も重要な事業の一つであります。

 本年は、学会が設立されて以来、年会が初めて四国に渡りました。日本分析化学会第56年会は9月19日(水)〜21日(金)の3日間、徳島大学常三島キャンパス(工学部)において開催されます。この間に一般講演、テクノレビュー講演、学会賞等受賞講演、特別シンポジウム講演、若手ポスター講演など総計769件の講演が行われ、約1400名の研究者・技術者・学生・OB・OG・その他幅広い関係者の方々が参加される予定です。特別シンポジウムとしては「ナノ分析・計測化学が変えるバイオ研究」および「メタロミクス:生体金属科学の新展開」が予定されております。また、未来を担う若手ポスター講演では、自分の研究と社会ニーズとの関係をアピールする場として一般公開(無料)も行われます。

 この小冊子は本年会で発表される講演の中から、特に社会的に関心が高いと思われる研究発表のいくつかを選んで分かりやすく紹介したものであります。これらを通して、分析化学が社会の様々な要求や問題の解決に寄与していることをご理解いただければ幸いです。

総講演数769件。内訳:一般講演(口頭424,ポスター 227);テクノレビュー講演(口頭 7);若手ポスター(75);学会賞等受賞講演(11);その他の講演(特別シンポジウム 10,研究懇談会 15)