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	◆新素材・　　　　化学の‘ものさし’をつくる（１）　先端技術◆　　　農薬分析用土壌標準物質　広く普及している機器分析法は相対分析法であり，比較（校正）のための‘ものさし’となる標準を必要とする。又，分析値の信頼性（精確さ）を向上させるには，分析試料と類似した「組成標準物質」が必要である。本研究では，（社）日本分析化学会の開発委員会のもとで，環境中の残留農薬の分析のための土壌標準物質の製造方法を検討した。芝生培地と畑土を原料とし，乾燥の後に混合して均質化処理を行った。農薬成分であるシマジン及びディルドリンの分析及び溶出試験について，22の分析機関による共同分析により，2種の試料の認証値の値付けを行った。
	農薬成分（��，��）分析用土壌標準物質の製造　　　　　　　（環境テクノス(株)）○濱本亜希　鶴田　暁　　　　　　　[連絡者：濱本亜希，電話：093-883-0150] 　かつて大量に使われた農薬，殺虫剤などは，使用規制後も環境中に残留し、かつ人体にも蓄積される危険性が高いことから、継続的な調査・分析が依然として必要である。一方、その調査・分析によって得られた「分析値」は、その精確さが確保されていることが極めて重要である。「分析値」の精確さを確保するためには、分析しようとするサンプルと類似した「信頼性の高い組成標準物質」を用いて、得られた「分析値を管理」することが不可欠であるが、実際に農薬分析に用いられる組成標準物質は、ほぼ皆無に近いのが現状である。このようなことから（社）日本分析化学会は，平成12年度新エネルギー・産業技術総合開発機構委託事業を再受託し、窒素系農薬である��と、有機塩素剤である��を含有する土壌標準物質の製造方法の開発を行った。開発に当たっては、開発委員会を発足させ、当社はそのメンバーとして参画し、その製造を担当した。　原料となる土壌は，ゴルフ場向け芝生培地と畑土から採取された。これらを自然風乾したのち、ボールミルで粉砕して篩分けした。その篩い通過分（106μm以下）を捕集して混合し，それぞれを均質化した。このようにして得た��用土壌と��用土壌とを一種類目として80：20の割合に，二種類目として25:75の割合になるように配合して混合・均質化した。調製したものについては，Mn・Zn・Cu及び含水率・強熱減量・粒度分布の分析を行って均質性の確認を行った。　開発委員会は22の分析機関の協力を得て，認証標準物質とするための共同分析を行い、独立２回の分析結果と��の溶出試験結果が報告された。これらのデータについて，Robust法Z-score≧３を異常値として棄却し，統計解析を経て不確かさが求められ,一種類目として，��； 95±11 ng/g-dry，溶出値；5.06±0.41 μg/L ,��；82±15 ng/g-dryの認証値と，二種類目として��；30.7±4.7 ng/g-dry，溶出値：1.37±0.20 μg/L，��；223±20 ng/g-dryの認証値がそれぞれ付与された。　このようにして開発された組成標準物質を同時に分析すれば、得られた分析値の精確さが確保され、結果として分析値信頼性の向上に大きく寄与するものと思われる。