◆医療・生命◆製剤中のトウガラシエキス有効成分カプサイシンを正しく管理
 ハップ剤や育毛剤には血行促進のため,トウガラシエキスが配合されている。この中の有効成分はカプサイシンと呼ばれる物質であるが,多量に皮膚に塗布すると強い刺激と炎症が生じてしまう。著者らは,この有効成分を安全で有効な濃度に配合するための正確な測定方法を開発した。すなわち,製剤中に微量に含まれるカプサイシンを分離後特異的に青色に発色させ,測定した。これにより製剤中の他成分に妨害されることなく,カプサイシンのみを高感度・正確に測定できた。
【2P1−11】 HPLC/ポストラベル化法による医薬品、医薬部外品中のカプサイシン定量法の開発

(ライオン(株)分析セ・薬品研1))○石田 真一・小池 茂行・飛鋪 季未子1)・氏家 高志
 [連絡者:小池 茂行・石田 真一,電話:03-3621-6473]

 温感タイプのハップ剤(ホカホカタイプの湿布剤)、育毛トニックには血行促進のためにトウガラシのエキスを配合します。しかし、これも多量に皮膚に塗布すると、強い刺激と炎症が生じてしまいます。トウガラシのエキスの中にはカプサイシンと呼ばれる物質が含まれていてこの物質に血行促進作用があります。このため、医薬品や医薬部外品のトウガラシエキスは、安全な濃度に薬効効果が期待できる範囲に配合量がコントロールされています。
トウガラシは天然のものですので産地、季節により大きく変動します。この為、出来上がった製品中のカプサイシンの量を測定し有効性を管理しています。カプサイシンの量を測定するにはトウガラシエキスの他の成分や、製剤の他の成分と分離するために高速液体クロマトグラフィーが多用されす。
しかし、カプサイシンの量は極めて微量のため、高感度分析を行うと多量に配合されている他成分との分離・検出は極めて難しくなります。私たちは、液体クロマトグラフィーと化学反応を組み合わせ青色の色素を生成させ、微量のカプサイシンを他成分に影響されることなく高感度で正確に測定できる方法を開発しましたので本年会で報告いたします。