関東支部長 挨拶

関東支部のさらなる発展を願って

 日本分析化学会の会員数はほぼ9000であり、その半数近くが関東支部に属しております。このように大所帯であり、支部の事務局も本部の中にあることより、支部会員としての所属意識はあまり強くないというのが現状ではないかと思います。しかし、関東支部は分析化学東京シンポジウム、講習会をはじめとして、地区講演会、若手交流会、出版事業等活発な活動を行っています。
 これらの中でも、分析化学東京シンポジウムは日本分析機器工業会主催の「機器分析展」との併設で開催されており、会員以外の方々も含め、年会以上の参加者があります。また、関東支部主催ではありますが、他支部の会員も招待し全国的規模での開催へと発展してきております。本シンポジウムは、ときの話題についてその分野の第一人者による特別講演と、ポスターセッションを行っています。ポスターセッションは単に研究発表だけでなく、研究室の紹介なども含め、業界・社会との交流・情報交換をも目的としております。新しい時代を切り開く研究、新しい発想法による分析機器を生み出してゆくためにも、学会と工業会がより協調してゆくことが必要と思います。当初、東京シンポジウムは5年期限で発足し、今年で第5回目を迎えます。日本分析化学会においても、工業界、産業界との連携を深めてゆくことに積極的に取り組み始めており、これからは本部と連携のもと、拡大発展を目指して行くことになるかと思います。また、大学においても独立法人化の問題を抱え、一大改革のときを迎えております。また、これらとも関係し、基礎、応用両面において分析化学の教育についても、これまでとは異なった視点からの見直しが求められるものと思います。関東支部が翻訳を進めてきました、米国で開催された分析科学教育集会報告書の邦訳が、今夏出版される運びとなりました。是非、ご一読下さい。
 一方、関東支部会員の交流、理解を深める一助として、本年から、中堅の研究者のための関東支部賞として「新世紀賞」を創設いたしました。より多くのまた広くの方々が応募できるよう、応募資格、期間等の改正を考えており、近々に応募要領を発表いたします。自薦、他薦を問わず奮ってご応募下さい。これまで懸案となっていました、関東支部若手の会が本年度発足します。これまでも実質的に活動してきた若手の活動が、正式な若手の会となります。暖かいご支援・理解とご協力をお願いいたします。また、関東支部会員の最懇親の場である新年会をより充実し、参加しやすい形とするために、懇話会、懇親会に表彰式等を含め、3月頃に設定したと思います。これまでにも増しての、ご参加をお願いいたします。
 21世紀に入り関東支部もこれまでの事業を強化し、より充実させてゆきたいと思います。支部会員の皆様のご支援と、ご協力をお願い申し上げます。

2001年度関東支部長 新潟大学理学部 澤田 清


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