北海道支部ニュース第24号

日本分析化学会 北海道支部   2001年12月


目次
2001年度北海道分析化学各賞の受賞者決まる          1
第2回幹事会報告                             2
これまでの終了行事(緑陰セミナーほか)               3
平成13年度後期事業案内(氷雪セミナー,冬季研究発表会)   5
支部からのお願い・支部会員の欄                   7


2001年度北海道分析化学各賞の受賞者決まる

2001年度日本分析化学会北海道支部各賞選考委員会が12月17日(月)に北海道大学ファカルティハウス「エンレイソウ」で開催されました。支部会員より推薦のありました候補者ついて,推薦書,履歴書,業績等に基づき慎重に検討した結果,2001年度の各賞受賞者を以下のように決定しましたのでお知らせいたします。なお,授与式並びに受賞講演は,2002年冬季研究発表会の会場で2月5日(火)に行われます。会員の皆様のご参加をお願い申し上げます。


北海道分析化学功労賞
都築俊文(北海道立衛生研究所)
角皆静男(北海道大学大学院地球環境科学研究科)

北海道分析化学賞
喜多村昇(北海道大学大学院理学研究科)
「単一微粒子のレーザー操作・顕微計測法の開発と応用に関する研究」

北海道分析化学奨励賞
谷 博文(北海道大学大学院工学研究科)
「ミセル水溶液の相分離に基づくタンパク質の高性能分離法の開発」

第2回幹事会報告

2001年度第2回幹事会が11月2日(金)午後4時から北海道大学クラーク会館大集会室において三浦支部長他29名が出席して(委任状20名)開催された。

報告事項

前回議事録が確認された後,佐々木理事から2001年度第2回,第3回および第4回理事会報告がなされ,三浦支部長からは第1回および第2回本部・支部連絡会議の概要が報告された。続いて,前期終了事業として, Park教授講演会(高橋幹事),小熊幸一教授講演会,(長谷部幹事),2001年夏季研究発表会(菖蒲幹事),北海道地区化学教育研究協議会(嶋津幹事),分析化学緑陰セミナー(谷幹事)および公開セミナー(板橋幹事)がそれぞれ報告され,了承された。また,三浦支部長より,2001年度北海道支部各賞および2002年度日本分析化学会各賞の受賞候補者の推薦要請がなされるとともに,役員等選考委員の選挙結果並びに同委員会からの本部・支部役員候補者の提案,支部出版物の2001年度売上実績と印税配分案などが紹介された。本部役員については提案が了承され,支部役員については次回幹事会で最終確認することとなった。なお,2002年度本部役員として喜多村昇氏が副会長に就任する予定である。
乗木幹事からは編集中の「演習で学ぶ環境」の進捗状況と目次案が示され,2002年2月出版予定であると報告された。さらに企画委員会報告として,三浦支部長より,支部45周年のあり方を協議していることが報告された。

審議事項

後期事業として氷雪セミナー(伊藤八十男幹事)および2002年冬季研究発表会(田中幹事)について計画案および準備状況が説明され,了承された。また,佐々木理事より従来関東支部が主催してきた「分析化学東京シンポジウム」が本部事業へ移管するとの報告がなされた。この変更に伴い,新しい本部事業として分析機器工業会との共催で開催される全国規模の学術集会が構想されていることより,この学術集会の目的と性格,現在ある年会や分析化学討論会との関係,支部の役割などについて意見交換されたが,構想の詳細が明らかになってから再度審議することとした。

これまでの終了行事


第17回分析緑陰セミナー・大滝を終えて

北海道大学大学院工学研究科 谷 博文

「分析化学緑陰セミナー」は,分析化学に携わる若手研究者と学生を中心とした勉強・交流・親睦の場として開催され,今回で17回目となりました.今年の分析化学緑陰セミナーは9月29日(土)・30日(日)の両日,北海道地区国立大学大滝セミナーハウス(有珠郡大滝村)において52名のご参加を頂き開催されました.
今回のセミナーでは道内外から3名の先生にご講演をお願いしました.第1日目は,篠原悦夫先生(オリンパス光学工業)に「遺伝子解析デバイス」と題して,最近話題となっておりますマイクロマシニング技術を利用した遺伝子解析デバイスの開発研究について,企業の立場からご紹介いただきました.金子恵美子先生(北見工業大学)には「ローテクノロジー高感度分析法を求めて」と題して,分析機器に依存しない極めて簡便で,かつ高感度な分析システムの開発について紹介していただきました.第2日目には,佐藤準先生(小樽商科大学)には「人工イオノフォアを包埋した人工平面脂質二分子膜を用いるイオンセンサーの基礎開発」と題して,脂質二分子膜をイオン認識の場とする電気化学センシング法についてご講演頂きました.
また,今回は2名の大学院生の方にも講演をお願いいたしました.第1日目は,倉光英樹氏(北海道大学地球環境科学研究科D3)に「タンパク?リガンド相互作用の電気化学的検出法と内分泌撹乱化学物質のスクリーニング試験への応用」と題して,第2日目は,上野貢生氏(北海道大学理学研究科D1)に「ポリマーマイクロチャンネルチップの創製と化学的応用」と題して,それぞれご自身の博士課程でのご研究を紹介していただきました.
いずれの講演も大変興味深い内容で,研究の苦労話や実験のノウハウなど学会とはまた違ったお話を,講演や討論を通して紹介していただきました.参加者からも多くの質問が寄せられ,活発な討論が行われたと思います.
さらに,第1日目の夕食後には,恒例となりました学生を中心としたポスター発表(5件)があり,こちらの方でも活発な議論が行われました.日頃の研究の成果を,同世代の仲間達と議論しあうことで,交流を深め,今後の研究の刺激になればと思います.ポスター発表後には懇親会と研究室/職場紹介が行われ,こちらでも交流と親睦が大いに深められたと思います.
最後に,大変お忙しい中ご講演いただきました講師の方々ならびにポスター発表をして下さいました方々に心より感謝申し上げます.本セミナーの開催にあたりご協力とご理解をいただいた参加者の方々ならびに関係各位に,また差し入れを頂きました先生方に厚くお礼申し上げます.そして,財政的なご支援を賜りました分析化学会北海道支部にお礼申し上げます.


そのほかの前期終了事業(第2回幹事会報告から)

Park教授講演会:

北海道大学工学部において「Diamond electrode with their mi-crostructure, electrochemical reactions, and electronic structure」のテーマで講演会が開催された。出席者30名。
小熊幸一教授講演会:北海道大学地球環境科学研究科において「フローインジェクション法による環境分析」のテーマで講演会が開催された。出席者36名。
2001年夏季研究発表会:7月19日(木)に室蘭工業大学において開催され,山村庄亮先生(慶応義塾大学名誉教授)および宇井忠英先生(北大理学研究科教授)による特別講演と141件の一般講演が行われた。参加者は231名であった。
北海道地区化学教育研究協議会:7月27日(金)に北海道大学地球環境科学研究科において市川和彦先生(北海道大学地球環境科学研究科教授)による特別講演「海の生き物の知恵に学ぶ」と,小,中,高等学校,高専および大学の先生による一般発表5件が行われた。発表に続いての自由討論も含め,活発な討論がなされた。参加者は37名であった。
公開セミナー:2001年度は板橋幹事のお世話により「毒と健康の分析化学」をテーマとして,「二枚貝の毒化機構と機器分析による貝毒モニタリングの高度化」(水産総合研究センター東北区水産研究所・鈴木敏之氏)と「健康の維持・増進に向けた温泉の活用」(道立衛生研究所・内野栄治氏)の2題の講演が10月18日に北海道大学水産科学研究科で開催され,活発な討論が行われた。参加者は41名であった。

平成13年度後期事業案内


第37回氷雪セミナー(1月12・13日)のお知らせ

支部恒例事業の「氷雪セミナー」が,1月12日(土)・13日(日)に開催されます。今回は,私たちを取り巻く環境や,私たち自身の健康に関する話題を中心にプログラムを編成いたしました。新世紀における自然や環境の保護,人間の健康保持といった社会的課題に対して,分析化学がどのように関わっていけるのかを改めて考える場にできればと思っております。会員の皆様方におかれましては,新年の何かと慌ただしい時期とは存じますが,お誘い合わせの上,多数ご参加くださいますようよろしくお願い申し上げます。


日  時 2002年1月12日(土)〜13日(日)
会  場 渓流荘(札幌市職員共済組合 定山渓保養所 札幌市南区定山渓温泉西2-5,
TEL:011-598-2721)〔交通〕JR札幌駅前バスターミナルからじょうてつバス「定山渓温泉」行きに乗車,「定山渓大橋」で下車(所要時間約70分),徒歩4分



プログラム

第1日(1月12日,13:30〜17:00)
   あいさつ                 (北海道支部長)三浦敏明
1. 主に若年者の過酸化脂質・疲労・ストレス・ライフスタイル・QOL
    −健康教育及び人間工学との関わりにおいて−
                   (北海道教育大学札幌校)富田 勤
2. エゾシカの生態と個体群管理 (北海道環境科学研究センター)梶 光一

第2日(1月13日,9:00〜12:00)
 3. 新たな鉱廃水処理技術の確立をめざして(北海道立地質研究所)荻野 激
 4. 温泉と健康             (北海道立衛生研究所)都築俊文
第38回氷雪セミナー実行委員長のあいさつ

懇親会 1月12日(土)18:00より
参加費 会員11,000円,会員外12,000円(宿泊費・懇親会費を含む)。
申込締切 2001年12月10日(月)
申込方法 氏名,勤務先・所属,連絡先(所在地,郵便・電話・FAX番号,E-mail)を明記のうえ,郵便,FAX又はE-mailにて下記あてにお申し込みください。
申込先 〒060-0819 札幌市北区北19条西12丁目
    北海道立衛生研究所 生活科学部 飲料水衛生科 伊藤八十男
    TEL:011-747-2211 ext .773,FAX:011-736-9476
    E-mail:yasoo@ iph. pref. hokkaido. Jp

北海道支部2002年冬季研究発表会(2月4〜5日)のお知らせ

標記研究発表会が日本分析化学会,日本化学会,日本エネルギー学会各北海道支部,触媒学会北海道地区の共催で下記のように開催されます。第一日目(2月4日(月))には,特別講演および懇親会,また,第二日(2月5日(火))には,北海道分析化学賞等の授賞式および受賞講演が行われる予定です。講演数は,第1日目の特別講演2件、2日目の受賞講演2件に加えて、一般発表90件、ポスター発表27件が予定されています。現在この研究発表会が盛会となるよう準備を進めているところですので,多数の皆様のご参加をお願いいたします。


期 日 2002年2月4日(月)〜5日(火)
会 場 北海道大学学術交流会館(札幌市北区北8条西5丁目)
日 程 第一日目 研究発表,特別講演,懇親会
    第二日目 研究発表,授賞式および受賞講演

特別講演
1) 「ミセル動電クロマトグラフィーの新展開」    (姫路工大理)寺部 茂 
2) 「新規ホスト分子チアカリックスアレーンの創製と機能開発」
                           (東北大院工)宮野 壮太郎

参加登録費(講演要旨集代も含む)
会 員: 一般 2,000円,学生 1,000円
会員外: 一般 3,000円,学生 1,200円

懇親会 2月4日(月) 18時より北海道大学百年記念会館きゃら亭にて
    会費 予約受付:一般 4,000円,学生 3,000円
       当日受付:一般 5,000円,学生 4,000円

参加申込方法 12月14日(金)までに,@氏名,A所属,B連絡先,C懇親会出席の有無を明記してお申し込み下さい。参加登録費,懇親会費は書留または郵便振替(口座番号:02740-8-52610,口座名:2002年冬季研究発表会)にてご送金ください。

申 込 先 〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目
  北海道大学大学院地球環境科学研究科物質環境科学専攻
  北海道支部2002年冬季研究発表会実行委員会 田中俊逸
       TEL・FAX:011-706-2219,E-mail:shunitz@ees.hokudai.ac.jp

当発表会のプログラムは日本分析化学会北海道支部ホームページに掲載されています(http://elechem1-mc.eng.hokudai.ac.jp/JsacBranch/02toukenp.html)。

支部からのお願い

メールアドレスをご連絡下さい

現在,支部から会員への情報発信は年に2回発行される支部ニュース,「ぶんせき」誌の「おしらせ欄」および支部のホームページを活用して実施しています。速報性のニュースも発信できるようにしたいと考えていますが,その都度に郵便を利用することは支部の財政や事務処理能力との関係から困難です。そこで,E-メールを通じて会員への発信が可能になればと期待しています。今後,少しずつでも整備していきたいと思いますので,ご了解頂ける会員の方は支部宛にメールアドレスをご連絡頂けると幸いです(2001年度の支部のメールアドレスはmiura@cme.hokudai.ac.jpです)。どうかよろしくお願い致します。将来的には,支部ニュースもメールで配信できれば,経費の節約になります。ご協力をお願い致します。
 北海道支部のホームページのアドレスは,http://elechem1-mc.eng.hokudai.ac.jp/JsacBranch/JsacBranch.htmlです。

支部会員の欄

この欄では,分析化学会の北海道支部会員の転出や転入・新入会など,会員に関する情報をお伝えします。新たに以下の方々の入会が認められました(ぶんせき2001年7月〜12月号から)。
これらに関する情報をお持ちの方は,支部ニュース編集委員までお知らせください。

劉 建化 北見工業大学(工)
工藤 勲 北海道大学大学院(水産科学)
坪井泰之 北海道大学大学院(理)
山崎浩史 北海道大学大学院(薬)
礒江準一 北見工業大学大学院(工)
光崎 純 北見工業大学大学院(工)
原野一樹 北見工業大学大学院(工)
松田満玲 北海道大学大学院(地球環境)
簗田尚徳 北見工業大学大学院(工)

編集後記

今号も大変遅くなってしまいましたが,北海道支部ニュース24号をお届けします。なんとか今年中に会員の皆様のお手元に届きましたでしょうか。支部ニュース12月号の恒例のニュースである北海道分析化学各賞の決定を待っての発行となりました。そのかわり氷雪セミナーや冬季研究会の案内は,申込締切りに間に合わない結果となってしまいました。関係者の方々にお詫び致します。

さて,会員の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。今年は冬が始まったかと思えば,記録的な大雪が降りました。真冬日も続いています。どうか風邪や怪我に気をつけてお過ごし下さい。
21世紀のはじめである今年もあとわずかで終わろうとしています。国内外では記憶に残るような様々な出来事がありました。そのような中,日本分析化学会は創立50周年を迎えました。そして来年と言えば,年会が札幌で開催されます。ぜひ盛会となることを願いたいと思います。
 来年度,支部ニュースの編集委員,諸角達也(北大院理)と石田晃彦(北大院工)は,新委員と交代となります。新委員は,村井 毅氏(北医療大)と斎藤伸吾氏(北見工大)です。今後も北海道支部ニュース編集委員へのご支援をよろしくお願い申し上げます。
 会員の皆様,どうか良いお年をお迎え下さい。
支部ニュースに関するご意見・ご要望がございましたら,下記連絡先までお知らせください。また,何でも情報伝言板の記事も募集しております。ご協力のほどお願い申し上げます。
連 絡 先
石田晃彦(北海道大学大学院工学研究科分子化学専攻)
〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目,TEL 011-706-6746,FAX 011-706-6745,
E-mail ishida@dove-mc.eng.hokudai.ac.jp
諸角達也(北海道大学大学院理学研究科化学専攻)
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目,TEL・FAX 011-706-2238,E-mail moro@ees.hokudai.ac.jp
伊藤慎二(北海道薬科大学薬学部)
〒047-0264 小樽市桂岡町7-1,TEL 0134-62-1878,FAX 0134-62-5161,
E-mail itoh-m33@hokuyakudai.ac.jp
古月文志(北海道大学大学院理学研究科化学専攻)
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目,TEL・FAX 011-706-2278,E-mail hu@ees.hokudai.ac.jp