討論主題と依頼講演

主題講演は,依頼講演と募集講演でセッションを運営します。主題講演で発表を希望される方は,講演申込の際に発表形式で主題講演を選び,希望の主題をご指定ください。(講演募集は終了しました)
1.放射能と分析化学 -モニタリングと計測技術-
オーガナイザ:高貝慶隆(福島大)・佐藤健二(いわき明星大)
趣旨
 3.11東日本大震災とその後の東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散は、東日本の各地に甚大な被害をもたらすとともに、あらためて放射線の計測や放射性核種の拡散と除染における分析化学の果たす役割の重要性が認識されている。
 本主題では、放射性物質の計測法、移動そして除染技術など,原発災害における放射性物質に関する研究,技術開発や事例発表を広く募集する。
講演題目:講師
  1. 東京電力福島第一原子力発電所事故により発生した滞留水,ガレキ等に対する放射能分析:(原子力機構)亀尾 裕
  2. 福島沿岸海域における放射性物質収支と生態系移行:(東京海洋大院)神田穣太
  3. 放射性物質の陸域からの移行:(筑波大アイソトープ環境動態研究セ)恩田裕一
2.地球環境を読み解く分析化学
オーガナイザ:小川信明(秋田大)・福島美智子(石巻専修大)
趣旨
 水圏、地圏、大気圏など地球を取巻く環境を読み解く目的のひとつに環境保全があり、人類が永続的に発展していくためには欠かすことができないものである。中でも特に環境に関わる様々な物質の分析技術の開発や存在濃度の数値化は、地球の環境保全に大きく貢献している。
 本主題では、環境計測手法・技術を中心に基礎から応用までの様々な研究発表を広く募集する。
講演題目:講師
  1. 放射光X線で読み解く植物の重金属蓄積機構:(滋賀県立大環境科学・東京電機大工)○原田英美子・保倉明子
  2. 閉鎖性水域で増加する難分解性有機物に及ぼすフミン物質と藻類由来有機物の影響解明:(京工繊大環境科学セ)山田 悦
  3. 酸性雨問題,今昔-日本,韓国における酸性雨共同調査結果から-:(兵庫教育大)尾関 徹
  4. Speciation analysis of trace elements using neutron activation:(Dalhousie University, Canada)Amares Chatt
3.力量あるバイオイメージングを目指して
オーガナイザ:壹岐伸彦(東北大)
趣旨
 バイオイメージングがホットな研究領域となって久しい。中でも蛍光分子イメージングはケミカルバイオロジーの中心にあって著しい進歩を遂げている。一方、医療診断の現場では、X線CT、MRI、PETといった生体透過性の高い電磁波を用いるモダリティが力を発揮している。この間分析化学は個々のモダリティに対応するプローブ分子の設計、イメージング法の高度化、新たなモダリティの創出に寄与してきた。
 本主題では、力量あるバイオイメージング実現につながる基礎から応用フェーズの研究発表を広く募集する。
講演題目:講師
  1. New bioanalytical investigations with hyperpolarized Xe-129 NMR:(University of Pennsylvania, USA)Ivan J. Dmochowski
  2. OTN近赤外蛍光を用いた小動物イメージングプローブとシステムの開発:(東理大基礎工)曽我公平
  3. X線位相イメージングによる医療診断法の開発:(東北大多元研)百生 敦
  4. マイクロ・ナノ電極システムによるバイオイメージング:(東北大WPI-AIMR)末永智一
  5. 高磁場MRIによる複合イメージング・セラノスティクスへの展開:(放医研)青木伊知男
4.金属素材の高度循環利用と分析科学
オーガナイザ:我妻和明(東北大)
趣旨
 金属精錬における鉱石や石炭等の原材料の高騰、稀少金属の戦略物質化など、金属素材をめぐる不透明な将来像に懸念が拡がっている。金属材料のリサイクルは問題解決のための重要な対応策であり、近年、それは量から質への転換点を迎えようとしている。金属資源の高度分別は、含有する元素の同定および定量に基づいてなされる必要があり、このために分析科学が果たすべき役割は大きい。
 本主題では、金属資源の循環利用の現状と問題点および分析技術の貢献に関する幅広い研究や事例発表を募集する。
講演題目:講師
  1. アルミニウム資源の次世代リサイクルプロセス:(早稲田大創造理工)大和田秀二
  2. ELVスクラップソーティングによる鉄鋼合金元素循環利用の定量評価:(東北大院工)松八重一代
5.複雑・曖味・網羅性に挑戦する生命分析科学
オーガナイザ:大江知行(東北大)
趣旨
 生体内における複雑かつ曖昧な生命現象を把握するため、ゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなどの大規模な網羅的解析が広く行われている。しかしながら、膨大な解析データから変動パターンを読み取り、有意な情報を引き出すのは至難の業である。
 本主題では、網羅的解析におけるデータマイニングに関する研究を、データベース検索、多変量解析など幅広い観点から募集する。
講演題目:講師
  1. ヒト全ゲノム解析とビッグデータ:(東北大東北メディカル・メガバンク機構)長﨑正朗
  2. メタボロミクスにおけるデータマイニングの実際:(阪大院工)馬場健史
  3. 質量分析用解析フリーソフトMass++を利用した多変量解析:(島津製作所先端研)梶原茂樹

※演題は仮題を含みます。