第67回分析化学討論会について
第67回分析化学討論会実行委員長(秋田大学工学資源学部

小川 信明

 日本分析化学会には,理学,工学,薬学,医学,歯学,農学などの広い分野で,産学官および学生会員が,現在,約9000名所属しております。本会では,毎年春に討論会,秋に年会を開催し,研究成果の発表を通じて,会員相互の情報交換を行い,これらの活動を通じ分析化学の発展と普及に努めております。
 第67回分析化学討論会は,日本分析化学会東北支部の担当で,秋田市の秋田大学手形キャンパスにおいて,5月13日(土)と14日(日)の両日開催されます。今回は,4つの討論主題と1つのシンポジウムを中心にすえ,討論を行います。以下にその討論主題とそれらの概要を示します。

 1.「生活環境・資源と分析化学
 自然環境の動態調査,資源と環境問題の関わりなど,広い意味での環境問題における分析化学的手法や研究が果たしてきた役割について討論します。依頼講演4件については,一般市民に無料で公開します。

 2.「生命科学と分析化学
 安全で健康な生活を営むという全ての人の願いを実現するために分析化学がどのように貢献できるのかという視点から,「安全と健康」にかかわるテーマを広く討論します。

 3.「分離化学とセンシング
 機能性分離膜,機能性固相抽出剤,センシングプローブ,選択的抽出,形態別分離,分離と計測の一体化など,分離とセンシング(検出)の新しい方法論を目指したテーマについて広く討論します。
 
 4.「計測科学の新展開
 工業分析において計測技術の果たす役割は極めて大きく,現場要求に応えるため様々な装置開発が行われてきました。産業界からの視点に立ち,計測科学やその将来を討論します。

 シンポジウム---「バイオチップ,デバイス研究・開発の最前線
 バイオチップやバイオデバイスが,新たなビジネスを構築するという戦略に基づく企業の開発担当者による依頼講演を行い,取り組みの最前線を紹介するとともに研究・開発について討論します。

 このほか一般講演(口頭発表とポスター発表)など総計約450件の発表が予定されており,この中には,企業による新製品・新技術を紹介するテクノレビューも行われます。
 この冊子は,本討論会で発表される講演の中から,特に社会的に関心が高いと思われるものを選んで,分かりやすく解説したものです。日本分析化学会の活動の一端をご理解いただければ幸いです。

総講演数448件。内訳:一般講演(口頭204,ポスター108,若手ポスター50);
テクノレビュー講演(ポスター6);シンポジウム講演(4);依頼講演(17);
主題講演(43),同若手(16)