日本分析化学会第54年会の開催にあたって

第54年会実行委員長(名古屋大学大学院工学研究科)

                         原 口 紘 き

 日本分析化学会は、理・工・農・医・薬学などに関係する産官学の研究者・技術者約9000人が所属する学会です。本学会は、毎年春には討論会を、秋には年会を開催し、研究成果の発表を通じて会員相互の研鑽と分析化学の進歩・発展に努めています。また、9月には幕張メッセで開催される日本分析機器工業会の分析展に合わせて東京コンファレンスを開催し、分析機器の発展・普及並びに社会的啓蒙を行っています。

 本年の第54年会は、中部支部の担当により、名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区)において9月14日(水)〜16日(金)の3日間開催されます、この間に、一般講演、テクノレビュー講演、学会賞等受賞講演、シンポジウム講演など総計860件が予定され、活発な討論が期待されます。さらには、20社を超える分析・計測機器関連メーカーによる付設展示会も準備されています。

年会では、29項目に分類された研究発表主題に関する一般研究発表(口頭およびポスター)、および分析機器メーカーなどによる新製品・新技術紹介のテクノレビュー講演(口頭)が、最新の研究成果として発表されます。このほかに、本学会の次世代を担う若手研究者主催の若手シンポジウム、若手ポスター講演(主題:ユニークメソドロジー)、専門分野別研究会として設立・運営されている研究懇談会講演(14件)が準備されております。また、本年会においては、多大な研究成果を挙げた研究者、技術者に学会賞、学会功労賞、技術功績賞、奨励賞が贈呈され、また企業の生産現場などで長年研究・技術開発や生産・製品管理に貢献してくださった技術者に対する感謝として有功賞が授与されます。

 本年会の特別企画としては、日本学術会議との共催で、特別シンポジウム「先端分析・計測技術開発のニューフロンティア」(一般公開;無料)を開催します。このシンポジウムは、事例研究発表(3件)、パネルディスカッション(パネラー4名)とも斯界の指導的研究者に御参加いただいております。「先端分析・計測技術が先端研究開発の進歩・発展を促す!」との討論主題のもと、分析・計測機器開発の将来のあり方、わが国の計測システムの基盤整備と施策などについて議論される予定であります。

 この冊子は、本年会で発表される一般講演とポスター発表の中から、社会的に関心が高いと思われるものを選んで分かりやすく解説したものです。さらに詳しいことを知りたい方の便宜のため、講演番号と発表者の連絡先を記載してあります。この冊子を通じて、本会の活動の一端をご理解の上、ご支援を賜れば幸いです。

総講演数853件。内訳:一般講演(口頭 450,ポスター 258);テクノレビュー講演(口頭 31);若手シンポジウム講演(口頭 3);若手ポスター(87);学会賞等受賞講演(7);その他の講演(特別シンポジウム 3,研究懇談会 14)