第72回分析化学討論会(鹿児島大学工学部 郡元キャンパス) 討論主題


討論主題番号:01
「産業のチカラ・イノベーションの駆動力となる分析化学」

趣旨

分析化学の学問領域は幅広く、製品の製造工程や品質管理をはじめ様々な産業分野で貢献しています。したがって、分析化学は産業のチカラを産み出す源泉であり、その発展が技術革新の駆動力となり、産業の発展を加速するといっても過言ではありません。さらに昨今、大学と産業界が連携し、相互に利益を得る関係で研究成果を広く社会に展開していく「産学連携」の取り組みが広まってきています。本主題では、大学の研究成果を知的財産として確立し、産業界へ移転した事例や最新の動向を踏まえて、産業や社会における分析化学の貢献について理解を深めることを目的とし、活発な討論会となることを期待します。
 
討論主題番号:02
「分析化学における現代の溶液反応化学」

趣旨

分析化学は分子の動態を制御し、分離、同定、あるいは定量を目的としてその方法論を研究・開発する学問であり、溶液内における化学反応は全ての分析化学の分野における根幹をなしています。ある程度成熟したかに見えるこれらの研究分野ですが、近年、溶媒や溶液内反応に関する研究環境は大きく変化を遂げ、絶えず新たなチャレンジと発見がなされています。本主題では、これらの研究分野において残されている問題や、それに対して現在どういったアプローチがなされているのかについて、幅広い視点からの活発な討論を期待します。
 
討論主題番号:03
「環境影響評価と分析化学」

趣旨

さまざまな人為的活動や、自然活動を通じて放出される化学物質は、周辺環境のみならず、そこに生活する人々に対しても大きな影響を与える可能性があります。地道で長期的な視野にたった分析データの積み重ねなしにその環境影響を評価することは不可能であり、さらには、分析法の信頼性の検証や、分析によって得られたデータをどのように社会に還元していくのかも分析化学者に求められる課題となっています。本主題では、存在状態別分析法、分析方法の信頼性検証、また、環境モニタリングなどに関わる分析化学の講演を広く募集し、活発な討論を通じて環境に立ち向かう分析化学の力を明確にすることを期待します。
 
討論主題番号:04
「ナノ分析化学の新展開」
趣旨
ナノ領域における種々の計測技術、材料分野や微小領域での観察技術や操作技術の進展は著しく、ナノ科学・工学の発展において、分析化学は多大なる貢献をしています。本主題では、最新のナノ分光分析化学、プラズモン応用分析化学、ナノ材料化学、表面分析化学などの幅広い分野における最新の研究成果をふまえて、新しい分析手法の理解を深めるとともに、ナノサイエンスの発展にもたらす分析化学の新たな可能性を模索・開拓できることを期待し、活発な討論会となることを期待します。