現在の活動

最近の活動(1993年〜) 渡辺征夫(国立公衆衛生院)


現在,GC懇で行っている活動を総括すると以下のようになる。


1.研究会(例会)
例会は,年6回,偶数月に行うことを基本にしており,GC懇談会のもっとも重要な活動である。通常,研究会は,講演,トピックス,製品紹介,パンフレット展示などからなり,多くは,分析化学会の会議室で持たれていて,25-50名程度の参加がある。ただし,この内の1回,夏期に研究施設や工場などで見学会と講演会を開催している。
「定例の講演会」
研究会の主要な部分を構成しており,大学,官庁研究機関,民間機関など,様々な分野から講師を募り,多様なテーマについて,1-2時間を要して講演を頂いている。
「トピックス」
機器開発などでの最近の動向,国際学会の報告など多様なテーマで30分以内の時間で報告頂くものである。
「製品紹介」
講演会でテーマとなったことに関連する測定機や機材のお話を,20-30分程度で関連メーカーから報告頂くものである。
「パンフレット展示」
講演会のテーマの関連分析機,周辺機器,資材,あるいは最近開発した機材,などについての資料を,会議室の入り口において必要な人に自由にお持ち帰り頂くサービスである。


2.特別講演会
特定はテーマを決めて,1日をかけて関連する理論,装置,応用事例,利用上の質疑応答,あるいはその社会背景などについて,講演会を開いている。最近の5年間に次の3回開催している。
1)1991年12月6日一於;東京都立大学
[ガスクロマトグラフィー/質量分析法の現状]
2)1992年12月8日於;国立公衆衛生院
[水・食品分析のための前処理法の理論と実践]
3)1993年12月3日於;北とぴあ
[生体試料分析におけるGC/MSの利用]


3.「分析化学会の年会」
分析化学会の年会の折に,特別に1時間程度を頂いて,GCに関連した講演会を開いている。例会の開催はほとんど東京近郊に限られており,関東地区以外ではなかなか参加が困難である。年会は,全国各地で開催され,参加者も全国から参集するので,GC懇としての全国規模の活動ができる貴重な機会となっている。『その意味をあっで講師は年会の開催される地域から選ぶようにしている。最近の演題を列挙すると;
第42年会(広島大学)
環境中の微量化学物質分析におけるGCおよびGC/MSの役割とその実際
(岡山県環境保全センター環境化学部大気科学科)小田淳子
第43年会(九州大学工学部)
水質分析へのGC/MSの利用
(福岡県南広域水道企業団)木村茂夫
第44年会(北海道大学,予定)
洋上大気境界層中でのハロゲン化炭化水素の動態解明へのGCの活用
(北海道大学地球環境科学研究科)田中教幸


4.SEPARATION SCIENCES
1992年の秋に分析化学会の理事会からの呼びかけに答えて,クロマトグラフィー関連の4っの研究懇談会が集まり,お互いの情報交換を目的にして,研究発表会を開くことが決まった。そして,翌93年の春(5月)に,北里大学で第1回分離科学関連研究懇談会連合発表会がLC懇の主催で催された。その結果は,参加者も多く,たいへんに好評であったので継続することとしたが,名称が長すぎて不便でもあるので,以後,名称を,SEPARATION SCIENCES'○○とする事とし,それぞれの懇談会が交互に主催をして,94年度,95年度と開催されてきた。その概要を以下に示す。なお,96年度は,GC懇が中心となって,都立大学で開催すべく準備が進みつつある。

GC関連研究発表件数
93年度(93年5月21日〜23日,北里大学白金キャンパス)特別講演のみ
94年度(94年2月22日〜23日,北里大学白金キャンパス),14件
95年度(95年6月15日〜16日,共立薬科大学芝キャンパス),7件
96年度(都立大学南大沢キャンパス,予定)

GC懇からの特別講演
93年度
私とガスクロマトグラフィー(豊橋技術科学大学名誉教授)高山雄ニ
ガスクロマトグラフィーの基礎について(物質研)竹田一郎
94年度
GC-MS昆虫記(京都工芸繊維大学)山岡亮平
95年度
環境分析とガスクロマトグラフィー
GC懇談会からの運営委員
93年度,保母敏行,渡辺征夫
94年度,保母敏行,渡辺征夫
95年度,渡辺征夫,竹内正博
96年度,保母敏行,竹内正博(予定)
(横浜国大環境研)加藤龍夫


5.講習会
1985年に,講習会に類するものを1度開催したことがあるが,内容は特別講演会といったもので,講習会としての性格は薄かった。発足当時は実習を伴う講習会をしばしば開催していたということでもあり,やはり,技術の底上げを計るには,本格的な講習会が不可欠ということになった。そこで,テーマを「キャピラリーカラムの基礎と応用」として,保母委員の都立大学工学部の施設を利用させて頂きながら、竹内委員が実行委員長として企画し,95年7月19日〜21日の3日間で実施することのなった。1日目は,終日講演として,2,3日目を実習に当てた。実習では,キャピラリーカラムの接続法から,GC,GC/MSでの利用,それにデータの解析手法まで実用的な課題が組まれた。なお,講演の詳細は,1,3の講演等の記録を参照されたい。参加者は,当初の予測を大きく越えて,講演だけの受講生;70名,全課程受講生;48名と,たいへんな人気をはくし,受講後の評価も高かった。


6.出版
大学での教科書や講習会のテキストとして利用できるように,「キャピラリーカラムの基礎と応用」と題して,現在,保母委員が編集長となって計画を進めている。


7.200回記念事業の準備,実行
講演会,記念パーティ,展示会;{これは,一括して行うこととし,95年9月20日に,会場;「北とぴあ」で開催することになった。
表彰;200回を機会に,これまでGC懇に貢献のあった方々や企業に対し,感謝の気持ちを込めて,個人には,名誉会員と功績賞を,また企業には,技術賞と有功:賞を,お贈りすることとした。
記念出版;`200回を単発の催しで終わりにしないためにも,出版物にまとめて残す必要がある。そのために,まず,200回までの歴史を中心にして整理したものと,また,教科書的なものとの2種が考えられた。前者が,この出版物そのものであり,後者は前節(6)の出版として,.実行に移されている。
ロゴの作成;GC懇を,あるいはこの度の200回を記念するものとして,「ロゴの作成が提案され,竹内委員が作成した,Rayが1954年に得たTCDによるガスクロマトグラムをデフォルメした図案が提案され採択された。


8.GC分析に係わる社会的な活動(政府への働きかけ)
8.1超臨界流体関連分析装置の普及に関するお願い(94年2月)
国内では,高圧ガス取締法による規制が強すぎて,上記のものの普及や利用に大きな支障を来たし,高度な分析が実現できない問題があるので,日本分析機器工業会とともに規制の緩和を要望している。
8.2ガスクロマトグラフ用ECDに関する規制緩和について(請願)
国内では,放射線機器の管理についての規制が厳しく,ECDの設置,移動などが厳しく規制されているため,排出源や環境での汚染物のモニタリングが現実に不可能となっていて,市民が不利益を被っている現実があるので,その緩和を日本分析機器工業会とともに要望している。


9.会誌”ぷんせき”との関係
従来は,研究会などのGC懇の活動の案内は,事務局からのダイレクトメールがほとんどであったが,90年以降は,それに加えて会誌に案内を出して,分析化学会の会員に広く呼びかけるようにしている。また,例会も含めて,行った活動の内容を会誌に報告し,出席できなかった会員への広報と,会自身での活動の記憶・記録に務めている。


10.運営委員会,他
運営委員会は,研究会を開く午前中の時間を用いた定例会,それに,それでは議論する時間が不足したり,緊急に決定する事項が生じた時の臨時の会を開催している。また,分析化学会の年会,SEPARATION SCIENCESの折にも,短時間であっても討議する時間を設けるようにしている。また,200回記念や出版;講習会などの特別な問題について具体的な内容を詰めるために,担当者を中心に可能な委員が参加する担当者会議も開いている。このような会をすべて合わせると,年で平均して10回程度になる。なお,1990年の改革以降これまでのすべて運営委員会で,竹田委員の尽力により,議事録がすべて作成されてきたが,これにより,議事の継続性,記録性が大きく改善され,本会の計画的な活動に極めて大きな役割を果たしている。なお,例会を含め様々な会合の後の夕刻を利用して,委員以外の会員も加わった自由参加の2次会を持ち,懇親を深めると共に,議論し尽くせなかった問題や会のあり方などの基本的な課題について,フランクな雰囲気の中で意見交換をしている。


11.会員
本会では,会員を,個人会員,団体会員,関連企業会員の3種とし,章末に添付した規約のように会費を定めている。この内で,団体会員は,本会の催しものに複数の人間が参加できる,関連企業会員は,それに加えて,宣伝活動を行うことができる,などの特典を有している。現在,それぞれの会員は,.個人会員;36,団体会員;27,関連企業会員;13の合計76となっているが,団体会員と関連企業会員では,複数の人間が関与,参加していることが多いので,実質は100名程度となっている。なお,会員名簿は資料編に掲載して有る。


12.規約,細則
GC懇談会に係わるものとしては,@分析化学会自身の研究懇談会についてのもの,A本会自身の規約,Bそれに本会自身の運営上の細則,などがある。このうちで,重要なAを章末に転載して有る。

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